服薬管理は注意が必要

介護施設で働く介護士の仕事の中でも、ミスが許されず気をつけなければならないこととして、服薬管理があげられます。高齢者は元々持病を抱えている人も多く、服薬しなければならない薬の種類や量が多くなってしまう傾向があります。複数の高齢者の薬を毎日きちんと管理することは、とても大変な業務だといわざるを得ません。ミスがあってはならないと十分わかっていても、高齢者の身の回りの世話を始め煩雑な業務の中で、正確にこなすのは至難の技です。

まず、ミスをしないようにするためには、確認と準備をしっかりしておくこと。介護士は本人や家族、または薬局などから薬を預かった時点で、本当にその薬が本人のものか内容を確認します。それから、服薬したかどうか飲み忘れを防止するために、日付と服用する時間ごとに一回分の薬をまとめてしまうといった方法をおすすめします。こうすると忘れやすい高齢者にも説明しやすく、服用の際、本人の理解を得られやすくなります。一週間分のものを準備しておくと効率的です。病院受診などで内服薬の変更があった場合には、再度薬のまとめ直し、再確認が必要となるので注意が必要です。

また、認知症の人や自分で服薬するのが困難な人には、付き添い、介助しながら服薬してもらうことが必要です。粉薬が苦手な人は水を多めにする、または服薬ゼリーを使用する、食事に混ぜるといった方法もあります。また、飲むときの姿勢も食道が狭まった状態では、むせてしまう可能性があるので、飲み込みやすい姿勢をとってもらい服薬を見守ることが大事です。寝たままの状態の人は、最適な姿勢を医療従事者に確認し、スタッフの間で再確認しておくことも大切です。